ムースってなんなん?
自分が好きだった給食のメニューは、なんといってもムースである。
牛乳のプリンというべきか、ゼリーというべきか、カテゴリーがよくわからない、謎のデザート。
味も甘いのか、甘くないのか、はっきりしない微妙な味わい。
安っぽい容器に、しょっぼいパッケージ。
・・とまあ、今にして思えば、なんであんな食べもんが好きやったんか、さっぱり理解不能だが、なぜか当時の僕は、ムースが給食に出るたびに、めちゃくちゃテンションが上がっておった。
僕は、大阪の堺市で育ったのだが、とにかく、小学校時代、このムースがしょっちゅう給食に出てきた。
揚げパンより、よっぽどハイペースで出てきたように思う。
あまりにしょっちゅう登場するので、クラスメイトの中には、「またか! おまえは、金曜ロードショーのナウシカか!」と、ムースに向かって、ツッコんでいるヤツもおった。
閑話休題。
さて、先日の事。会社の昼休み。同僚と雑談をしとったら、給食の話になった。
で、僕が「ムース、あれは最高でしたね~」みたいな話をしたところ、思いもよらない反応が返ってきた。
「アタシ、新潟ですけど、給食にムースが出てきたことはないですね。関西地方だけ出てたんじゃないですか?」
「うち、奈良やけど、ムースが出たこと、いっぺんもないで。大阪だけとちがう?」
「おれは大阪市やけど、ムースなんて出てきたこと1回もないわ」
えー!?であった。
僕は、ムースというのは、全国津々浦々、どこの小学校でもフツーに給食に出されている、定番のデザートだとばっかり、思っておったのだ。
まさか、あれを食わされてたん、堺っ子だけやったとは・・。
衝撃の事実に、がく然としておると、「ワシは河内長野で育ったけど、ムースが給食に出てきた記憶はないなあ」と、課長が会話に入ってきた。
僕が「課長の時代は、給食にどんなもんが出てました?」ときくと、課長は「そうやなあ。うーん」と、腕を組んで、しばし唸った後、こんなことをほざきよった。
「よくよく思い出したら、ワシの小学校、給食なかったわ。弁当持参やった」
僕は心の中で「おまえ、話に入ってくんな!」と、課長に思いっきりツッコんだ。
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